労働分配率・労働生産性とは
- 労働分配率:会社が生み出した付加価値のうち、人件費に回した割合。「稼ぎをどれだけ従業員に還元しているか」
- 労働生産性:従業員1人あたりが生み出す付加価値。「1人が会社にいくら価値をもたらしているか」
- 1人あたり人件費:従業員1人あたりに払っている総人件費(給与・賞与・法定福利費・福利厚生費すべて含む)
計算式
労働分配率(%)= 人件費 ÷ 付加価値 × 100
労働生産性(円/人)= 付加価値 ÷ 従業員数
1人あたり人件費(円/人)= 人件費 ÷ 従業員数
付加価値の求め方(2種類)
- 控除法(簡易・本ツールの簡易計算モード):付加価値 = 売上 − 外部購入費(材料費・外注費・仕入原価等)
- 加算法(正式・中小企業庁定義):付加価値 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費 + 賃借料 + 租税公課
ベンチマーク目安(中小企業)
労働分配率
- 50%未満:好業績(人件費より利益に多く配分)
- 50〜60%:優秀
- 60〜75%:中小企業標準ゾーン
- 75〜90%:やや高い(利益圧迫)
- 90%超:危険(利益ほぼゼロ・持続困難)
※業種で大きく違います:サービス業・飲食業は高め(70〜80%)/製造業・卸売業は低め(40〜60%)。同業界比較が本質。
労働生産性(1人あたり付加価値)
- 製造業 中小企業平均:約 550〜700万円/人
- 卸売業:約 800〜1,200万円/人
- 小売業:約 350〜500万円/人
- サービス業:約 400〜600万円/人
- IT・情報通信:約 900〜1,500万円/人
使い方(意思決定シーン)
- 給与改定の妥当性:ベースアップ後の労働分配率を試算 → 90%超なら値上げ・生産性向上が先
- 採用計画:新規採用後の1人あたり生産性が下がりすぎないか事前確認
- 賞与原資:業績連動賞与の原資決定に労働分配率のシーリングを設定
- M&A・事業譲渡の与信:買収候補の生産性が業界平均より著しく低ければ、統合後の改善余地 or 潜在リスクを見極める
※ご注意:本ツールは概算指標です。実際の給与改定・採用計画には社会保険料率変動・退職金積立・助成金活用等の複合要素があります。実務判断前には社会保険労務士・税理士にご確認ください。個別労働者の給与額に関する助言は社労士法上、有資格者のみが行えます。