LTV/CAC 計算機
顧客生涯価値(LTV)と顧客獲得単価(CAC)の比率で事業モデルの健全性を診断します。SaaS・EC・サブスク・広告投資判断の基本指標。
LTV/CAC とは
LTV(Life Time Value・顧客生涯価値)は1人の顧客が取引期間全体で企業にもたらす粗利の合計、CAC(Customer Acquisition Cost・顧客獲得単価)は1人を獲得するために要した広告・営業コストの合計です。両者の比率で「顧客獲得投資が回収可能か」を判定できます。
計算式
LTV = 平均顧客単価 × 年間購入回数 × 平均継続年数 × 粗利率
LTV/CAC 比率 = LTV ÷ CAC
CAC回収期間(月) = CAC ÷ (月次平均顧客単価 × 粗利率)
LTV/CAC 比率 = LTV ÷ CAC
CAC回収期間(月) = CAC ÷ (月次平均顧客単価 × 粗利率)
健全性の目安(SaaS/EC/サブスク共通)
- 5:1 以上 — 投資不足の可能性。もっと広告に投じて成長を加速すべき
- 3:1 前後 — 健全水準(業界標準ベンチマーク)
- 1:1 〜 3:1 — 要改善。LTVを上げるかCACを下げる
- 1:1 未満 — 危険水域。顧客を取るほど損する状態
スタートアップは投資フェーズで一時的に 1:1 を割ることを許容する場合もありますが、長期継続はできません。
実務での注意点
CACの範囲は「フルコスト」で計算
広告費だけでなく、営業人件費・営業ツール費・アフィリエイト報酬・キャッシュバックなど、顧客獲得に紐づく全コストを含めます。「Blended CAC(総獲得コスト÷総獲得数)」と「Paid CAC(有料広告経由のみ)」を使い分けます。
継続期間の推定
- サブスク:
1 ÷ 月次解約率(Churn Rate)÷ 12(月次解約率5% → 1÷0.05÷12 = 1.67年) - EC:過去12ヶ月の購入回数と再訪率から推定
- 新規事業:業界平均を使い、実測データが取れ次第更新
CAC回収期間の重要性
LTV/CAC 比率が良くても、CAC回収に24ヶ月以上かかる場合はキャッシュフロー的に厳しい。SaaS業界では「12ヶ月以内での回収」が目安です。回収前に解約されると赤字が確定します。
※ご注意:本ツールは概算です。事業計画・投資判断に使用する前には、実データで解約率・継続期間・CAC構成を精査してください。特に立ち上げ期はサンプル数が少なく LTV 推定に大きな誤差が出ます。
よくある質問
LTVは売上ベース?粗利ベース?
粗利ベースで計算するのが原則です。売上ベースだと変動費(原価・決済手数料)が引かれておらず、実際の利益貢献を過大評価してしまいます。粗利率70%なら、売上100万のLTVは実質70万の粗利LTVです。
単発商品(サブスクでない)にも使える?
はい。「年間購入回数」に想定リピート率を反映してください。買い切り商品でも、口コミによる紹介効果を考える場合は継続期間 > 1 で計算するケースもあります。
CAC回収期間の目安は?
SaaS業界では 12ヶ月以内、EC・サブスクでは 3〜6ヶ月以内 が目安。回収期間が長いほどキャッシュフロー負担が重く、成長資金が必要になります。ファクタリング・融資でつなぐ判断にも影響します。
LTVを上げる施策と CAC を下げる施策、どちらを優先すべき?
一般に LTV 施策の方が持続性が高いです(既存顧客の解約防止・アップセル・顧客紹介)。CAC 削減は短期で効くが競合が同じ施策をすると効かなくなります。ただし CAC が異常に高い時はまず削減が優先です。
立ち上げ期でデータが少ない場合は?
同業他社の公開データ(SaaS Metrics ベンチマーク・EC 業界平均)を使い、実データが揃うたびに更新してください。3ヶ月に1回は再計算することを推奨します。
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