ROI・回収期間・NPVとは
投資の意思決定でよく使われる3つの指標です。それぞれ捉える視点が違うので、単独ではなく組み合わせて判断します。
- ROI(Return On Investment・投資収益率):投資額に対して得られた利益の比率。単純で分かりやすいが、時間軸を無視する
- 回収期間(Payback Period):投資額を回収するまでにかかる年数。短いほどリスクが低い
- NPV(Net Present Value・正味現在価値):将来のCFを割引率で現在価値に換算し、投資額を引いた金額。プラスなら投資価値あり
計算式
単純ROI(%) = (総CF − 初期投資) ÷ 初期投資 × 100
回収期間(年) = 初期投資 ÷ 年間CF
NPV = Σ [ CFₜ ÷ (1 + 割引率)ᵗ ] − 初期投資
使い方
- 初期投資額:機器導入費・広告出稿費・改装費など、投資開始時の一括支出
- 年間キャッシュフロー:投資により追加で得られる年間の現金収入(売上増ではなく、コスト削減額でも可)
- 評価期間:投資効果を見込む年数(設備の耐用年数・広告効果の持続期間など)
- 割引率(任意):資金の時間価値を反映する率。銀行金利・株主要求利回り・WACC などを使用。目安:中小企業3〜7%、スタートアップ10〜20%
実務での注意点
回収期間の目安
- 2年以内:即断できる短期投資
- 2〜5年:標準的・要事業計画
- 5年超:長期戦略投資・環境変化リスクを織り込む
ROIだけで判断しない理由
ROI 50% でも回収期間10年なら、途中で市場が変わって陳腐化するリスクがあります。逆に ROI 20% でも1年で回収できるなら、投資回収後に自由になる資金で次の投資ができます。「時間の複利効果」を意識してください。
NPVの符号で判断
- NPV > 0:割引率を上回るリターン → 投資価値あり
- NPV = 0:割引率とちょうど同じ → 中立
- NPV < 0:割引率を下回る → 別の投資機会を探すべき
キャッシュフローと利益の違い
「年間利益」ではなく「年間キャッシュフロー」を入力してください。減価償却費は利益からは引かれますが、実際の現金支出ではないため、CFには足し戻します(税引後利益+減価償却費 が簡易CF)。
※ご注意:本ツールは概算です。融資申請・事業計画書への使用前には、必ず会計担当者または顧問税理士にご確認ください。実務ではリスク調整(感度分析・複数シナリオ)を併用します。