3シナリオ比較の意味
単一の損益分岐点だけでは「今は達成できてる」ことしか分かりません。しかし現実には、単価は競合や顧客の値切りで下がり、変動費は仕入高騰・為替で上がり、固定費は賃上げ・値上げで増える方向に動くのが普通です。3シナリオを並べれば「悲観シナリオでも達成できるBEP水準か?」という耐震性を可視化できます。
計算式
限界利益/個 = 販売単価 − 1個あたり変動費
限界利益率(%)= 限界利益/個 ÷ 販売単価 × 100
損益分岐点(個)= 月間固定費 ÷ 限界利益/個
損益分岐点売上(円)= 月間固定費 ÷ 限界利益率
安全余裕率(%)= (現状販売数 − BEP) ÷ 現状販売数 × 100
推奨シナリオ設定(業種別ガイド)
飲食業・小売業
- 楽観:単価+5%(メニュー価格改定)・変動費-3%(仕入見直し)・固定費-5%(家賃再交渉)
- 悲観:単価-5%(競合値下げ追随)・変動費+15%(食材高騰)・固定費+5%(最低賃金上昇)
SaaS・サブスクリプション
- 楽観:単価+10%(アップセル)・変動費-5%(インフラ最適化)・固定費+3%(人員追加)
- 悲観:単価-10%(値引き競争)・変動費+5%・固定費+10%(開発人員増)
製造業
- 楽観:単価+3%・変動費-8%(材料調達改善)・固定費+2%
- 悲観:単価-2%・変動費+20%(原材料・エネルギー高騰)・固定費+5%
受託・BPO
- 楽観:単価+10%(レート改定)・変動費±0・固定費+5%
- 悲観:単価-5%(案件単価下落)・変動費+5%(外注費上昇)・固定費+10%(人件費上昇)
安全余裕率の見方
- 30%以上:健全(一時的な販売数減少に耐えられる)
- 10〜30%:普通(悲観シナリオで危険水域に入る可能性)
- 0〜10%:脆弱(少しの下振れで赤字化)
- 0%未満:既にBEP未達(赤字)
※ご注意:本ツールは概算感度分析です。実際の事業計画では、複数商品のミックス変化・段階的な変動費構造・固定費の階段状増加を考慮する必要があります。融資・投資判断の最終場面では税理士・中小企業診断士にご相談を。