IRR(内部収益率)とは
IRR は「投資のリターンを年率換算した割引率」で、期間の異なる投資案件を横並びで比較するときの標準指標です。実務では次のように使います:
- ハードルレート比較:IRR > 自社のハードルレート(例:資本コスト+α)なら投資価値あり
- 複数案件の優劣判定:IRR が高い順に並べて投資予算を配分
- ROI・NPV との違い:ROI は総額比、NPV は金額、IRR は年率。M&A や海外投資家との会話では IRR が共通言語
計算式
NPV(r) = Σ[ CFₜ ÷ (1 + r)ᵗ ] − 初期投資
IRR = NPV(r) = 0 となる r
本ツールは二分法(Bisection Method)で収束させます
使い方
- 初期投資額:投資開始時(期首)に支出する額
- CF入力方式:毎年同額なら「均等」、初年度は少なく数年後にピーク等の変動があるなら「年別入力」
- ハードルレート:判定基準となる割引率。中小企業なら借入金利+2〜3%、リスク投資なら15〜20% が目安
実務での注意点
IRR が使えないケース
- CF が途中でマイナスに戻る場合:IRR が複数解になる(多重IRR問題)。本ツールは最初に見つかった解を返します。この場合は NPV を主判定に使ってください
- 投資規模が違う案件の比較:IRR 30% で1億円回収 vs IRR 15% で10億円回収 なら後者が有利。NPV と併用
- 再投資収益の前提:IRR は「回収したCFを IRR で再投資できる」前提。現実的でない高IRRは MIRR(修正内部収益率)を検討
ハードルレートの目安
- 中小企業の設備投資:借入金利(3〜5%)+リスクプレミアム(2〜3%)=5〜8%
- 新規事業・広告投資:15〜25%(不確実性が高いほど高く設定)
- スタートアップ投資:30%以上(VC相場)
※ご注意:本ツールは概算です。M&A・不動産投資・大型設備投資の意思決定には、必ず会計士または財務アドバイザーにご確認ください。実務では感度分析・シナリオ分析を併用します。